「特養に申し込みたいけど、何から始めればいいかわからない」
6年前の私が、まさにそうでした。
このページでは、 特養の申し込み方法から毎月かかる費用まで、 できるだけシンプルにまとめました。
むずかしい言葉はできるだけ使わず、 私の体験をもとに書いています。
そもそも「特養」って何?
特別養護老人ホームの略です。
国が運営を支援している公的な介護施設で、 24時間365日、介護スタッフが常駐しています。
食事・入浴・排泄の介助から、看取りまで対応してもらえます。
あきなただし、入所できるのは要介護3以上の方に限られます
- 特養への申し込みは、各施設に個別に連絡しなくていい理由
- 横浜市の申込受付センターに「直接行くべき」理由と予約の取り方
- 申し込んだ後に「自分からやるべきこと」と入所につながった私の行動
- 特養の費用が年金で足りるかどうか、実際の月額と節約方法
- 申し込みをためらっている方へ、経験者として伝えたいこと
ケアマネージャーさんに相談する


「特養に入れたい」と思ったら、 まずケアマネージャーさんに相談しましょう。
ケアマネージャーとは?
- 介護保険サービスの計画(ケアプラン)を作ってくれる専門家
- 要介護認定が出ると、担当のケアマネさんが決まる
ケアマネさんが申し込みの手続きを教えてくれます。
私もケアマネさんに言われるまで、 申し込みの仕組みを知りませんでした。
横浜市は「特別養護老人ホーム入所申込受付センター」が窓口


横浜市で特養に申し込む場合、 各施設に直接連絡する必要はありません。
「特別養護老人ホーム入所申込受付センター」という窓口が、 市内すべての特養への申し込みを一括で受け付けています。


| 内容 | |
|---|---|
| 場所 | 横浜市港南区上大岡西1-6-1 ゆめおおおかオフィスタワー14階 |
| 電話 | 045-840-5817 |
| 受付時間 | 平日9時〜17時 |
センターに直接行き、書類提出をおすすめします
申し込みは郵送でもできます。
でも私は直接行って、本当に良かったと思っています。
センターの方と話すことで、 書類には載っていない情報を教えてもらえたからです。
たとえば——
「要介護3だと、受け入れが難しい施設もあるんです」
これは直接行かないと知れなかった情報でした。
センターでは希望施設を一緒に選んでもらえます。
事前に施設を見学しておく必要もありません。
面談では、こんなことを話しました。
- 母の認知症の状態
- 徘徊があること
- 家族の介護の限界
申し込みセンターの方が丁寧に話を聞いてくれ、 気づいたら泣いていました。
申し込みに必要なもの
持参するものは2点だけです。
希望する施設は最大5か所まで書けます( 締め切りは毎月20日)
入所は「早い者勝ち」ではない
申し込んだからといって、すぐに入所できるわけではありません。
入所の順番は、申し込み順ではなく点数順です。
どんな人が高い点数になるの?
- 要介護度が高い
- 徘徊などがある
- 介護している家族の負担が大きい
- 一人暮らしや高齢世帯である
つまり、介護の状況が厳しい人ほど早く入所できる仕組みです。
センターの面談で状況を正直に話すことが大切です。
申し込みの有効期限は2年間です。
期限が切れる前に更新手続きを忘れずに。
申し込み後、施設の見学(面談)に行くべき理由


申し込みをして、私は半年間何もしませんでした。
「連絡が来るのを待つしかない」 そう思っていたからです。
でも半年が過ぎた頃、 申込センターのスタッフの方の言葉を思い出しました。
「申し込み後は、施設に見学(面談)に行くことをおすすめします」
施設に見学(面談)に行くべき2つの理由
- 施設の雰囲気を実際に見ることができる
- 介護している側の実情を、直接スタッフに伝えられる
私は申し込んだ5施設のうち、 3施設に自分から連絡して見学(面談)の予約を取りました。
面談では、母の状態だけでなく、 介護している私自身の気持ちも正直に話しました。
毎日どれだけ大変で、シンドイか・・
待機人数はそれなりにある施設ばかりでしたが—— その3施設のうち1施設から、後日電話がかかってきました。
申し込みをしたら、待つだけではいけません。
自分からできることをやっていく。
それが入所への道を開くのだと、 私は身をもって知りました。
特養の費用はいくら?


特養の費用は大きく下記の4つに分かれています。
- 介護サービス費
- 居住費(部屋代)
- 食費
- 日常生活費(別途)
① 介護サービス費
介護保険が使えるため、 実際に払うのは費用の1割・2割・3割のどれかです。
負担割合の調べ方
要介護認定のときに届く「介護保険負担割合証」に書いてあり、年金が月10万円程度の方は、通常1割負担
| 要介護度 | 1割負担(月額) | 2割負担(月額) | 3割負担(月額) |
|---|---|---|---|
| 要介護3 | 約22,600円 | 約45,200円 | 約67,800円 |
| 要介護4 | 約24,700円 | 約49,400円 | 約74,100円 |
| 要介護5 | 約26,900円 | 約53,800円 | 約80,700円 |
※基本単位のみ。施設の加算により実際は異なります。
② 居住費(部屋代)
施設の部屋にかかる費用です。
部屋の種類
- 多床室(たしょうしつ)= 2〜4人の相部屋。費用が一番安い
- ユニット型個室= 完全な個室。費用が一番高い
| 部屋の種類 | 月額(目安) |
|---|---|
| 多床室(相部屋) | 約27,450円 |
| ユニット型個室 | 約61,980円 |
③ 食費
1日3食の食事代です。 上限は月額約43,350円です。
④ 日常生活費(別途)
日用品・理美容・おやつなど、月5,000〜10,000円程度が別途かかります。
なお、おむつや洗濯代は特養が負担してくれます。
有料老人ホームでは自己負担になることが多いため、 これは特養の大きなメリットのひとつです。
費用を安くする2つの方法


方法① 世帯分離をする
世帯分離とは、同居している家族が 住民票上で別世帯になることです。
これをすることで、この後に説明する介護保険負担限度額認定申請の条件を満たしやすくなります。
手続きは役所の市民課で「世帯変更届」を提出するだけです。
世帯分離の簡単な確認方法
- 「住民票の写し」を区役所の窓口で請求
- 同一世帯に母が記載されていない = 世帯は分離されている



同じ住民票に載ってなければ、世帯分離がすでにしてあるということ
方法② 負担限度額認定証を申請する
世帯分離の後に、この申請をしましょう。
交付要件を満たしている場合は、申請月の初日から有効な認定証を交付されます。
| 段階 | 年金収入の目安 | 食費(月) | 多床室 居住費(月) |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者など | 約9,000円 | 0円 |
| 第2段階 | 年80万9千円以下 | 約11,700円 | 約11,100円 |
| 第3段階① | 年80万9千円超〜120万円以下 | 約19,500円 | 約11,100円 |
| 第3段階② | 年120万円超 | 約40,800円 | 約11,100円 |
| 認定なし | 住民税課税世帯 | 約43,350円 | 約27,450円 |



母の年金は月約10万円で、第3段階②に認定されました(貯金5万ほど)
申請先: お住まいの横浜市各区の区役所 「高齢・障害支援課」
申請しなかった場合との差額
要介護3・多床室・1割負担で比べると——
| 月額合計 | 年間合計 | |
|---|---|---|
| 第3段階②(申請あり) | 約74,500円 | 約894,000円 |
| 認定なし(申請なし) | 約93,400円 | 約1,120,800円 |
| 差額 | 約18,900円 | 約226,800円 |
申請するだけで、年間約23万円の差が出ます。
年金額が月10万円の場合、足りるのか?


母の年金は月額約10万円です。
負担限度額認定証(第3段階②)を申請した結果——
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 介護サービス費(1割) | 約22,600円 |
| 居住費(多床室) | 約11,100円 |
| 食費 | 約40,800円 |
| 日常生活費 | 約5,000円 |
| 合計 | 約79,500円 |
年金10万円から支払うと、 手元に約20,000円残る計算です。
ぎりぎりではありますが、年金の範囲内で賄えています。
これも、世帯分離と負担限度額認定証の申請をしたおかげです。
手続きの全体の流れ|まとめ


やることとポイントをまとめました
ケアマネージャーに相談
最初の一歩
センターに電話して予約
TEL 045-840-5817
センターで面談・申し込み
直接行くのがおすすめ
各施設に待機人数の問い合わせ・見学(面談)の予約を入れる
申し込み後早めに
申し込んだら待つだけではいけない
見学(面談)で介護側の実情を正直に話す
書類では伝わらない気持ちを直接伝える
施設からの連絡を待つ
点数順なので、申し込み順ではない
入所決定後に世帯分離
役所の市民課
世帯分離後に負担限度額認定証を申請
区役所 高齢・障害支援課
認定証を施設に提示
毎年7月末までに更新
申し込みを迷っているあなたへ


「施設に入れるのは申し訳ない」 「まだ早いかな?」
私もずっとそう思っていました。
でも申し込んでわかったのは、 申し込んだからといってすぐに入所になるわけではない、ということです。
申し込みはいつでもキャンセルできます。
迷っているうちに時間が過ぎてしまうより、 まず申し込んでおいて、その間に気持ちを整理する。
そういう使い方もできるのだと思います。
まず一歩、センターに電話して予約を取ってみてください。
一人で抱え込まず、使える窓口は使っていきましょう。
出典・参考情報


※2024年8月〜2026年7月時点の情報をもとに作成しています。
※制度は変わることがあります。最新情報は必ず市区町村窓口でご確認ください。
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1280」(2024年6月21日)https://www.mhlw.go.jp/content/001266890.pdf
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html
- 横浜市「特別養護老人ホームを利用している方・利用したい方」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/koreisha-kaigo/shisetsu/shisetu-annai/tokuyou.html



